2018年1月10日水曜日

【知見共有:「日本人は仕事熱心」という常識はもはや過去のものかもしれない/米調査会社のギャラップ社調査2017】

□分類:組織マネジメント


日経新聞の1/6の記事
『「日本人は仕事熱心」という常識はもはや過去のものかもしれない。米調査会社のギャラップが昨年公表した、仕事への熱意(エンゲージメント)についての国際比較によると、日本で「仕事に熱意を持って積極的に取り組んでいる」従業員の比率は全体の6%。調査した139カ国のなかで132位と、最下位級にとどまった。
ほかの調査でもほぼ同様の結果が出ている。与えられた仕事を指示通りにこなす受け身の勤勉性はそれなりに高いものの、自ら主体的に仕事に取り組む姿勢に欠ける現状は非常に心配だ。
 働き手の熱意の低い職場から目の覚めるようなイノベーションが生まれないのは自明だろう。企業業績と社員の熱心さの間には強い相関関係があることも知られている。日本企業の収益力が低い一因は社員の熱意不足ではないか....』
 国際比較的に「仕事に熱心ではない」。
 目標管理(MBO)の本質を忘れてしまったのだろうか?
 または、目標管理(MBO)の意味を取り違えているのかもしれない、残念ながら。
 ドラッカーは『現代の経営』の中で、こう言及している。
『....今日企業が必要としているのは、個々人の力と責任に広い領域を与えると同時に、彼らの志や努力に共通の方向を与え、チームワークを打ち立て、個人的目標と共通の利益とを調和せしめるような「経営原理」である。これらのことをよく成し遂げられるのは、「目標設定と自己統制」とによる経営しかないであろう....』
 「目標管理」とは、目標を管理することではなく、目標による(自己の)管理なんだよね。MBOの英語の意味は、Management By Objectives through Self Control で、目標による自己統制を意味する。アドラーやフランクルなどの実存主義的心理学的に言えば、「目標設定面談」とは、メンバー視点からみると、組織や上司からの期待・要望・要請という「刺激」に対して、メンバーが如何に自己の意志を踏まえた「目標」を設定するかについての「反応」を選択する場である。それは、Win-Winの交渉の場だ。
 よって、上司と部下の間に、(コヴィー博士的に言えば)「勇気」と「寛容」が必要となる。
 そもそもの仕事についての「握り」が曖昧で薄いために「仕事に熱心ではない」となる。
 もう30年近く、HR・HRD分野では語られていることなのに....残念である。

(の)